偉大な芸術家の思い出のために2005年08月06日 09時26分05秒

『非常識で演奏不可能な曲』ピアノ協奏曲1番を評価しなかったニコライ・ルビンシテインの言葉。いっときは確執があったピアニストでしたが、チャイコフスキーはこの友人の死後、思い出をピアノトリオとして作曲しました。チャイコフスキー特有の哀愁を帯びた物悲しいメロディーで始まります。チェロの石坂団十郎は今売り出し中、端正な顔立ちで、女性ファンに人気急上昇中でもあります。  演奏会冒頭の曲ドビュッシーのチェロとバイオリンのソナタで、豪快な演奏という印象でした。この曲はピアノ曲とは雰囲気が違い現代曲のような感じで、技巧をみせるにはいい選曲のように思います。2曲目はマルティヌーのバイオリンとチェロのデュオ。2楽章のポルカ風舞曲のリズムが弾んでいました。ユニゾンでの始まりもぴったりで、カデンツも朗々と響きました。  後半はチャイコフスキー。3つの楽器がそれぞれソロのような曲ですが、ピアノが少し大きかったように感じました。安永さんのバイオリンは、きっちりとした伸びのある音色。オケのバイオリン奏者といっても、さすがベルリンフィルです。後半はチェロの音をしのぐほどでした。団十郎さん、ちょっと遠慮したのか。客席は当日券にも並ぶ人がいて、満席でした。アンコールはなし。トリオが印象的ですから、他の曲をやらないでよかったです。(2005-8-5東京文化会館小ホール)

民族楽器2005年08月13日 11時20分23秒

網走 北方民族博物館内
5日ほど、北海道の道東地方に行きました。網走、知床、阿寒湖などを回りました。
網走市内にある北方民族博物館には、北方地域で暮らしている民族の資料が多数あり、大変豪華な博物館でした。魚の皮や、魚の腸から作られている衣服もありました。
楽器やおどりなどがビデオで紹介されていました。展示されていた楽器は、現在でいえばチェロや箏などの原型かと思われる物がありました。太鼓などは儀式にもつかわれていたそうです。雪と氷に閉ざされた寒い冬を過ごすために音楽は必要なものであったといいます。

写真はこちらhttp://www.flickr.com/photos/22744841@N00/

端正なゴルドベルク2005年08月15日 13時58分03秒

マリア・ティーポのゴルドベルク
聞き慣れないピアニストかもしれませんが、1932年、イタリアナポリ生まれ。1949年第10回ジュネーヴ国際コンクールで1位、1952年エリザベート王妃国際コンクールで3位(この時の1位はレオン・フライシャー、10位ピアノレッスンでお馴染みになったフィリップ・アントルモンでした)
ショパンコンクールの審査員にも名前が出ています
来日はしてないようでCDで聞くしかありません
たまたまうちの棚にあったシャコンヌがよかったので、5枚組のバッハ作品集を買ってみました。その中の1枚がゴルドベルク

アリアはかなりゆっくりのテンポ、装飾音はシンプルです。繰り返しは変奏とも前半のみあり。音色はチェンバロのような明るい音でノンレガート。“対位法の曲”とはっきりわかる演奏で、くっきりと声部が独立しています
低音に16分が連なる所は、目だたないように波がうごめくようです
低音部の補強のためか、オクターブを付け加えている所もあり、オルガンのような響きです
25変奏はセンチメンタルでないアダージョが美しい
30変奏も内声部のテーマがはっきり現れています
最後のアリアは遠くから思いだすような弱音で柔らかく終わっていました

『ゴルドベルクが出版された時には、もう既に対位法の曲は時代遅れになっていた』(高橋悠治 談)そうなのですが、最後の金字塔的な曲が端正に演奏されています

5枚組のCDにはイタリア協奏曲、パルティータ、シャコンヌなどの編曲ものが収録されています
バッハ以外にはモーツァルトやショパン、クレメンティの録音もあるようです

(ピアノ:マリア・ティーポ1990年EMI 63'44'')

追記:何度か聞き返しましたが、ティーポさんの左手は、ほんとうに極端と言っていいほど、弱く弾いています。(06-03-08)

手のしごと2005年08月26日 22時08分26秒

(写真は 工房悠)
 第7回モダン・クラフト展に行きました。
10人くらいのクラフトマン達の、花器、茶器、アクセサリー、家具など、生活にねざした作品展示と即売もしています。一人のクラフトマンの展示されていた椅子にかけ、色々お話を聞きました。すわりごこちがよくて、1時間ほど座ってしまいました。まったく腰が痛くなりませんでした。テーブルもコンパクトで、○○小屋と言われる都会の家でも入りそうです。手作りのものはお値段もいいです、一桁違います。ピアノでも、外国の手作り品は国産品とは一桁違うのと、同じです。
お客さまに、自作の説明をしているのを聞くと、工芸家達の情熱が伝わってきます。(モダンクラフト展:新宿伊勢丹デパート本館7階 〜8/29月まで)詳細はこちらhttp://www.isetan.co.jp/icm2/jsp/store/shinjyuku/event/0508claft/index.jsp